はじめまして、細井 亮治(ほそい りょうじ)と申します。このページでは私の自己紹介をしていきたいと思います。
東京は板橋 ハッピーロード大山商店街にある、創業1952年のメガネ・時計・宝飾兼業店の2代目店主です。よく見えてかつ疲れない、お客様にとって真に快適なメガネ作りをずっと心がけてまいりました。地元の顧客に支えられ、お蔭様で店はもうすぐ70周年を迎えようとしています。
私も60代、「今さらブログ?」とも思いました。
「今だからこそ、情報発信しなければ」と思った背景にはメガネを取り巻く状況への危機感があります。
メガネ作りの原点
22~23の時に、メガネ業界を背負うべき人材育成のためにと設立された「日本眼鏡専門学校(現在は東京眼鏡専門学校に統合されています)」で学びました。「日本眼鏡専門学校」は、眼鏡業界において当時第一線で活躍されている方々を講師に迎え運営されていました。
日本に「両眼視」の理論を広められた「土屋 厚」という方がいらっしゃいます。学校にはこの土屋 先生の授業もありました。「両眼視機能」というのは、簡単に言えば「立体感や奥行き感などを感じ取る目の能力」のことです。左右両方の目の視力と眼が向いている方向が正しくないと正常に機能しません。土屋 先生の授業では、先生の視力検査を間近で実際に見るという大変貴重な経験をしました。全国から集まった視力の出ない方々が、土屋 先生のじっくりと時間をかけた視力検査により視力を取り戻し、「先生!見えます!!」と感動する場面を何度も目の当たりにしました。
『自分は将来、こんな風にできるようになるのだろうか?』と不安に思ったものです。
この学校時代で学んだ基礎知識・専門知識や貴重な経験が、その後のメガネの仕事の土台になりました。メガネの作製には高度な専門知識と常に学んでゆく研究心が必要であり、またきちんとした過程を経てつくられるメガネは、人の役に立ち生活を豊かにするということです。メガネづくりとはそういう仕事だと思います。
メガネとの関わり
私自身も近視で、子供のころからメガネを掛けていましたから、メガネとの関わりは50年以上になります。メガネは身体の一部で、また自分を印象付けてくれる大事なアイテムでもあるので、もともと凝り性の私は研究も兼ねてどれほどのメガネフレームとレンズを試してみたでしょうか。そういった体験も財産だと思っています。歳を重ね、若い時には想像するしかなかった「老眼・白内障・白内障手術」もすでに経験済みとなりました。白内障手術前後のデリケートな目の状態も眼鏡屋の特権で毎日のようにデータを取って検証できました。知識だけでなく実体験からもお客様の見え方に寄り添った快適なメガネをご提案できるようになったのではないかと思います。
メガネを取り巻く環境の変化と危機感
時代は常に変化します。メガネ業界も例外ではありません。
視力検査やメガネレンズの加工が機械操作でできるようになり、メガネレンズの素材も割れやすいガラスから扱いやすいプラスチックになる等、専門的な知識が無くてもメガネ作りに関われるようになりました。医療器具としての性格も持つメガネですが、その扱いは限りなく雑貨に近くなったように思います。残念なことです。
数年前から当店にお見えになるお客様に、視力の出にくい方が大変多くなってきました。
・メガネを掛けると不調になる。
・メガネを作り変える度に見えづらくなる。
・出来合いの老眼鏡で間に合わせていたが、どうも目の調子が悪い。
訴えは様々ですが、どなたもかなり無理をされ目が混乱している状態です。パソコン・スマートフォンを長い時間使う現在の目を酷使する環境では、多少の疲労は仕方ないことなのかもしれませんが、
・合っていない度数のメガネを長い期間掛けていた。
・メガネを掛ける必要があるのに掛けないでいた。
・出来合い老眼鏡・ハズキルーペ等を必要に応じてではなく、乱用・多用していた。
等の要因が、状況をさらに悪化させていると推測できます。
このような方々は両眼視機能(立体感や奥行き感などを感じ取る目の能力)も正常で無いことも多く、正しい見え方を取り戻して頂くための検査には長い時間を要します。お客様も大変ですが、こちらも真剣勝負ですから消耗します。検査の途中で休憩を入れて仕切り直し、なんていうこともあります。
絡んだ糸がほぐれる様に、お客様本来の目の状態にたどり着くことができると「あっ、見えた!」という瞬間が訪れます。「土屋 先生に少し近づけたかな」と思う瞬間でもあります。
メガネを好きになってもらうためにできること
・もっと早く来店したかった。
・今までのメガネは何だったのだろう。
・こんなに楽によく見えたことはない。大袈裟だけれど人生を損していた気がする。
こんなお客様の声を頂き、メガネを掛けたいのに掛けられないで困っている方に、情報発信をすることで、もっと力になれるかもしれないとの思いから、今回ブログを始めます。
きちんとした過程を経て作られたメガネの素晴らしさを実感してもらい、多くの方にメガネ好きになってもらいたい。そしてメガネを身体の一部として大切にしてほしい。そんな思いを込めて店主独自の視点から記事を書いていきます。
小さなメガネ店では店主の個性・信念が選ばれる基準だと思います。記事をお読みになり、ご興味がわいたり、ご質問・ご相談などありましたらお問い合わせ(03-3973-1111)のうえご来店ください。お待ちいたしております。
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